オフィス鴻

ゆるブラック企業

2024年12月18日

働き方改革と組織力の強化は共に連動性・相関性があると編集人は考えています。ホワイト企業と呼ばれる名の知れた人気の大手企業でも若手社員が辞めていく現実に向き合わざるを得ないのが昨今の労働市場だと感じます。大手企業では初任給を5万円上げたところも多くありましたが、20年後の自分の求めている姿を想像できない、言い換えればスキルアップやキャリアを高めていくことが難しいと感じれば、それが可能なベンチャー系企業やコンサル系企業へと転職していく方は多いと言います。日本経済新聞の記事によれば、このような大企業を「ゆるブラック企業」と呼ぶそうで、転職希望者の多くは評価基準や人事異動に関する不満が根底にあるそうです。

自分のやりたい仕事でキャリア形成やスキル習得が出来る環境が職場には無いと判断すれば、労働市場での価値が落ちる前に転職を考えるとの思考だと理解できます。しかし、企業が組織運営をベースに経営している以上、全てが自分の思い通りにならないことなど当たり前のことだと思っている昭和生まれの編集人には一種の焦りのようなものを感じます。これまでにないような恵まれた新卒雇用環境にある現在、どの職場でもパワハラ系上司にあたったケースでもない限り、自分の努力次第では組織内の力学・人間関係を上手く使えば、自分にとって意義のある仕事が出来ることを実際に編集人は経験してきました。つまり、上昇志向に対する感覚差だとは思いますが、おそらく先が見えないことへの不安や危機感が心を転職へと駆り立てるのでしょう。

入社当初から経営会議体等に参加できることは企業統治(ガバナンス)の観点からも殆どありませんが、経営層と話すチャンスは意外とあるものですし、自分の知らないところで他部署の管理職が本人の能力を評価していることも往々にしてあるものです。また、大企業にいれば子会社・関連会社を含めて人脈を拡げるチャンスは中小企業に比べて非常に多くあり、一度は上司の立場から自分自身を俯瞰してみるのも有効でしょう。