法の番人
2025年05月02日
袴田事件では、えん罪で収監されていたことに対して検察側が謝罪したとの報道がありました。人間である以上、誰しも間違った判断をしてしまうことは有りえますが、数十年も無実を訴えてきた袴田さん、その家族、支援者の方々は人生を台無しにされた思いでしょう。また、当時捜査に当たった警察も自分の描いたストーリーにしようとする自白主義が日本の司法制度に於いて跋扈しているとも言えそうですが、何を持って謝罪してもその方の失われた人生を取り戻すことはできません。警察官とも言えども、時には権力や出世欲に屈してしまうことがあったとも想定しています。
編集人も業務上刑事・民事裁判で法廷を傍聴することがあり、また警察署で刑事と様々な話をしてきました。内情まではわかりませんが、冤罪を生む土壌が警察内にもあるのかも知れませんし、企業内での不正が発生するのも日本人は性善説の傾向が強いのだと思っています。これまでも多くの不祥事と向き合ってきた編集人ですが、殆どの場合ほんの小さな傷口をかばったがために後日取り返しのつかない大きな事案になるケースをいくつも見てきました。その他にも実際に日本国憲法では立法権が国会議員の職務と定義され、議員にとって有利な法案がいくつも成立してきました。その一例が政治資金規正法であり、国会議員特権などが問題視されて最近は少しずつ改正されてはいますが、国民が納得できるレベルにはありません。そのような法案に対して司法を管轄する裁判官が前例主義的な姿勢で判決を出す、却下するなどしていれば、また同じような悲劇が起こらないとも限りません。
あるアニメのキャラクターの決め台詞に「真実はただひとつ」との言葉があります。例え多くの障害や圧力があっても批判を恐れずに潰されない裁判官が1人でも多く任用され、改善すべき点には勇気を持って取り組んで頂きたいと感じています。本当の真実は当該人しか知らないわけですから、憶測で物事を進める(チャレンジとは意味が異なります)ことは間違いのきっかけだと自分自身を戒めています。