続・線状降水帯
2025年05月27日
ここ数年、日本を襲う自然災害の1つに線状降水帯と呼ばれる連続的に雨雲が同一地域に大雨を降らせる現象があります。これまでは、大雨が降ると土砂崩れや川の増水などで被災者がでることもあり、気象庁でも報道機関でも「(予測が外れてもいいから)まずは自分の命を守るために避難してください」とアナウンスされていますが、現在の大型スーパーコンピューター(富岳)を使っても予測は非常に難しいそうです。ここでは的中率よりも、人命と言う観点で少し考察したいと思います。相手が自然ですから観測衛星や富岳でも膨大なデータ処理が必要であり、それなりの蓄積がなければ的中率も簡単には上げられないでしょう。
昨年あたりから台風を世界各国(10程)の気象観測機関が予測した進路予想が発表されるようになりましたが、全てが一致しているわけでは無くむしろバラツキが多いように思われます。もちろん線状降水帯は局地的に発生するもので、〇〇地域というより例えば〇〇県と言った少し大きな括りで予報(避難情報等)を出せば被災者がでても犠牲者を減らすことには繋がりそうです。また、この種の災害では「田んぼを見に行って行方不明になった」方がいることも事実ですから、その後の捜索活動の進捗を鑑みればやはり自分の身は自分で守ることが大原則のように思えます。捜索隊が1人の被災者を探す労力を考えれば、あまり好きな言葉ではありませんが「自己責任」と言われても致し方ないでしょう。
アメリカでも大型ハリケーンや竜巻での甚大な被害が多く報告されてますが、特に竜巻は家屋などを破壊しつくすため多くの人命を奪います。そしてたった数十メートル離れたところでは全く被害がでないこともあり、予測が難しい点は線状降水帯と同じではないかと思われます。当然予想精度は高い方が良いのですが、例えオオカミ少年と揶揄されても緊急地震速報のように実際にアラートが発信されれることで被災者を1人でも減らすことが出来ればその意義は大きいと思います。