コストコの会員費
2025年05月04日
最近よくTV等で取り上げられるコストコは、「商品・サービスの質・価値を高めていくために年会費を改定」すると発表しました。この意味するところはまだ十分に咀嚼して理解できていない状態ですが、そもそも日本の小売業と比較して1g単位の価格設定に於いては圧倒的な安さであることはご承知の通りです。実際にサブスク形式の同社の会費ですが、値上げ幅は1割程度とのことでロイヤル・カスタマーが多い同店では安定した収益が見込める年会費を上げて、どのような形で会員にその価値を還元するのかが大切な点でしょう。日本に限らず世界各地で物価が上昇していることを考えれば、アメリカでの生活に近い食習慣(大量買いして冷凍保存する)がどの程度受け入れられるのか、また消費者の心を掴む商品開発がカギになると編集人は考えています。
しかし、先述のサービスの質を上げると言うことが、なかなかしっくりとこないのも事実です。接客なのか、品揃えの豊富さなのか、決済方法なのか、今後何らかの動向があって初めて腑に落ちるのかも知れません。商品の値段は必然的に上げられていくものと思われますが、他社にはない陳列方式と商品の入れ替えだけではなく、恐らく従業員の昇給原資に年会費の値上げ分が使われるように思います。時給1,500円の募集で注目を集めた同社ですが、他に働く場所が自宅の近くにあれば通勤時間を含めた時給換算にすると、さほど変わらない可能性も最低賃金の上昇で起こりえることだと思います。職場の雰囲気までは判りませんが、コストコとて人手不足と人口減少が経営に与えるインパクトは無縁ではないと感じます。
因みに大型冷蔵庫(600L超え)・冷凍庫が自宅に置ける家庭は日本では少ないでしょうから、フランスのカルフールが日本から撤退したように日本の食文化等の側面を理解できないとコストコと言えども値上げに踏み切らざるを得ないということだと思っています。EDLP(エブリデー・ロープライス)は良いことですが、消費者に選択権があることは事実なのです。