地方の市電経営
2024年12月30日
先日、九州4県を経由してセカンドオピニオンによる年1回の入院治療を受けてきました。最新の医療設備で検査をしたところ、これまでの検査ではわからなかった脳神経の数まで把握できるようになっており、医療の進歩に驚かせられました。実際には、その検査で判明したことに対しての治療法がないため、今後の基礎研究や新治療法の開発などに活用されることになりますが、少し怪しげに感じる民間療法を試すことやあるカテゴリーの宗教等に入信する気持ちも何となく想像できます。
閑話休題、九州の福岡・佐賀・熊本・鹿児島の4県を体に負担がかからない程度に廻ってきましたが、首都圏との大きな違いとして公共交通機関に市電(東京の都電と同じ)が多く、また中距離バス便が充実していることが挙げられます。首都圏との比較は人口数・企業数がまったく違うので単純にはできませんが、少なくとも地元の方々の移動方法として活用されているように感じました。ただし、路面電車の運転職も非正規社員化と待遇の低さから要員不足が指摘されており、アメリカカリフォルニアにあるサンフランシスコの路面電車も廃止が検討されています。実際に乗車すると初乗り料金は170円(3年前は140円でした)に値上げされていましたが、採算性の面では十分とは言えないレベルなのかもしれません。首都圏でも、都心部近郊では一律料金(大人1人220円)のところが多く、早晩値上げをしなければ交通網の維持は難しくなるように感じます。
今から30年ほど前には、殆どのバスドライバーは正社員であり、特に都バスは公務員扱いのため年齢給・勤続給が適用され年収1千万円以上の方が多くいました。しかし、公務員優遇と言う世間の声とバブル景気崩壊による採算悪化から多くの民間バス事業者は子会社を作って年収4~5百万円程度の処遇としました。現在は、処遇の向上策の1つとして3百万円台の非正規雇用から賃上げを行い、正社員雇用を進めています。その意味でも公共交通機関のあり方を再検討する時期にあると考えています。