自己免疫疾患研究
2024年11月28日
大阪大学を中心とした免疫疾患研究チームが、免疫細胞が体内で作られた異常なタンパク質を異物として誤認識することで、自分の体を攻撃する自己免疫疾患を発症させるメカニズムを解明してアメリカの科学誌に発表したそうです。これまで、自己免疫疾患にはウィルス・抗体・T細胞等が関係していることは研究者の間で知られてはいましたが、発症防止や治療効果を高める薬品を開発できる可能性が出てきたことで、完解療法が無い難病の自己免疫疾患患者にとっては朗報でしょう。今回はヘルペスウィルスの活性化により、異常タンパク質が増えることが確認されたとのことで、編集人も鹿児島大学病院で殆どのIL(インターロイキン)が通常の1千倍以上になっていることが研究途上ですが判明しています。
編集人の場合には原因抗体の検出には2年以上かかった上、評価方法(数値の妥当性等)も確立されていない自己免疫疾患で難病指定されていない疾患も多くあります。特に臨床例(患者数)が極端に少ない場合や他疾患との合併症があると、症状からだけでは脳神経内科専門医でも判別がつかないことがある中で、多額の費用を要する希少疾患の医薬品開発を積極的に進める製薬会社は殆どありません。そのため、大学の研究室等と協働で進めるだけでは開発費用を賄えないことが殆どで、患者は長期戦を覚悟しておく必要があります。編集人の場合は、偶々当該疾患の医学論文にたどり着くことができたお陰で原因抗体が判明し、症状の進行を遅らせる治療ができているという面ではまだ恵まれた方だと感じています。
ただし、日本に於ける難病指定のハードルは非常に高く、治験を含めて総合的に治療方針を決めることになります。実際に難病指定されているパーキンソン病のように患者数が30万人を超え、新たな医薬品・治療法が開発されているものもあります。また都道府県単位で独自の支援が行われている疾患もあり、行政などに相談することで医療費が軽減できる場合もあるのが実情です。