赤酢の握り寿司
2025年05月20日
最近、都内だけでなく各地方都市でも赤酢を使ったすし飯を使う店が増えてきているように思います。編集人も鹿児島大学病院に入院・退院する時は必ず地元の寿司屋に予約を入れてその時期の美味しい旬の魚介等を楽しんでストレスを発散するようにしています。まだ行きつけとまでは呼べませんが、繁華街(天文館)にある店では軽い赤酢の握り寿司を提供してくれます。入退院のタイミング次第では予約でいっぱいのこともあり、その時は鹿児島中央駅近くの江戸前寿司屋で食事をさせて頂いています。江戸前寿司の特徴である仕事には「塩を当てる(臭みを抜く)」「酢で締める(殺菌する)」「昆布締めにする」「漬けにする」「煮つける」など、当時の流通の関係で魚が傷まないような様々な工夫をしていました。
この「仕事」には魚の良さをさらに引き出す職人の知恵と技術が凝縮しているとも言えるでしょう。特に仕事により風味が増したタネと赤酢の酢飯の絶妙なバランスは繊細な味覚がよりその味を際立ててくれます。ただ職人によって米酢・赤酢をどのように使うのかはその店の個性を一層引き出してくれます。魚は好みや高級なものなどでいくらでも調整できますが、寿司職人の握った適度な大きさの酢飯が口の中でほろほろと崩れタネと絶妙に絡まっていく時に感じる幸福感は寿司屋以外では体験できないでしょう。その他にも檜の一枚板のカウンターで待つ間に醸し出す次に何がでてくるかといった高揚感は是非体験して頂きたいと思います。昨今は回転寿司・料金が明確な寿司店も多くなりましたが、やはりお支払いのことは気にせずに満足するまで楽しみたいものです。
なお、お客さんの中に「あがり(お茶)」「お愛想(勘定)」「シャリ(酢飯)」などの言葉を使う方も見かけますが、これらは職人の隠語であり一般人が使うことは慎んだ方が良い場合もあります。また基本的には予約の段階で好き嫌い・アレルギーなどを伝えておくとスムーズに美味しい寿司をだして頂けます。まさにお客冥利に尽きる瞬間ですね。