オフィス鴻

工場産野菜のビジネス化

2026年02月20日

都心に近いのビル(建物)の空きスペースを活用した植物工場で生産された水耕栽培型等の工場産野菜が、電気代等の高騰で生産技術はあるもののコストが高すぎる現象が発生しています。農産品によっては路地ものに比べて2倍近い価格の商品もあるそうで、実際には工場産野菜の品質に見合った需要が生じてはいません。一部の資料では国内野菜工場生産工場の40%程度が赤字経営を余儀なくされていると言いますから、企業側が不採算性を理由に事業から撤退していることにも頷けます。ただし日本の食物自給率を鑑みれば、この状態が長く続くことは懸念するべき状態とも言えます。

実際にビル(建物)内栽培で不可欠となるのは水(養液)・光・湿度管理等であり、当然自然環境に比べてコストがかかってしまいます。ここでSDG’sの観点から見ると東日本大震災後に発生した電力代金の高騰や、ロシアのウクライナ侵攻などが大きな影響を与えていることが判明しており、結局は路地物に比べてコストを下げられなかったことが供給面でのネックになっているように思われます。一方で路地物についてはドローン活用やICT技術導入などによって生産性が高まっていると指摘されており、日本国としての食糧自給政策の抜本的見直しに時期に差し掛かっているようです。

資本主義におけるビジネスですから資本家は利益の上がらないビジネスへの投資を躊躇するのは当然のことであることは頭の中では十分理解できるものの、新たな農業政策を開発していくことは国家戦略として不可欠だと考えています。もし小売店の店頭価格が現在の2倍になったとしたならば、消費者がどちらを選択するのかは容易に理解できます。ただし日本企業がこれまで多額の資金を投じて開発してきた人工野菜生産技術が、いずれ世界の食料事情に大きく影響することはあるでしょう。現在の人類にできることと言えば、まずは廃棄する食材をいかに減らしていくのかにあると感じています。