オフィス鴻

ファクトの重要性

2024年02月19日

企画書(提案書)には、データ分析結果、改善提案などたくさん詰め込みたくなりますが、編集人は割り当てられた時間内で、内部・外部問わず1枚の資料説明が3分以内となるよう準備します。もし、20分の時間が与えられたら資料はPPTベースで4~5枚程度、5~10分は質疑応答や補足説明に使うようにしていました。また、必ず1枚ごとに1行のキーラインメッセージ(20文字以内)を入れることで、添付資料(分析結果・方向性・改善策等)との整合性がいつでも読み手(クライアント)に伝わりやすいようにしていました。ただ、言うは易し行うは難しで、初稿と最終版を比べると表題・副題すら変更していることも良くありました。

表題のファクトとはビジネスでは事実・根拠と訳しますが、簡単に言うと相手方が「根拠のある資料に基づいて事実関係を確認したい」と思った時、出典やデータ抽出・加工方法を伝えることです。プレゼン等では補助的資料として準備しておくことが多いのですが、見る視点や先入観などで誤認しないよう、例えば営業部門が認識している数値と資料分析の数値が異なる場合には、出典(社内資料で十分)を明らかにすれば、これまで討議してきた内容自体に大きく影響することがあります。よくあるケースでは、社内の部署間でさえ同じ「ファクト」が共有されておらず、意志決定者に誤った情報が伝えられたことで、会議の前提条件が崩れたり、変更・中断されることもあり得るのです。

つまり、事前に自分が信頼できる上司のフィードバックを得られれば、相手方の思考も含めた論点整理ができるので、プレゼンの通過(成功)率が確実に上がります。そのほか、中身の価値、約束遵守、素早いレスポンス、曖昧や言い訳をしない誠実さなどとともに、社会的課題の解決方法(システム、ソリューションなど)が含まれていれば、よりファクトへの信頼性が高まり、ビジネスパートナーとしての信頼性も高まると考えています。