冷蔵食品の毎日配送
2025年01月08日
生乳(牛乳)生産者の減少が叫ばれる中、農林水産省が酪農家の廃業・経営不振を支援するため「学校の夏休みに牛乳を買い、料理にもなるべく牛乳を使いましょう」というCMを流していました。当然、現在の円安による輸入飼料価格の上昇、国内での牛乳消費量減少などが経営不振を招くことは理解できますが、直販(JAと距離を取る)、バター製造時に出る脱脂粉乳(戦後は給食でだされていたそうです)の在庫増加(消費減少)などが主原因とされています。また、欧州を含め世界各地で行われている酪農がその土地の食文化に大きく影響していること、日本では牛乳以外でも漁業・農産物生産者の高齢化・跡継ぎ不足など、食料需給率が低く海外からの輸入に頼っている日本の将来(食糧安保政策)が心配になります。
また、日販品のカテゴリーにはパン類・牛乳・鶏卵などが含まれますが、コンビニ・スーパーなどへ毎日数回納品する現在の流通体系を変える小売り事業者も出始めています。また、ケーキ製造業では鶏卵の黄身部分以外(白身)を産業廃棄物として捨てていると言われています。つまり、輸送品の半分程度は廃棄されることを前提に生産・供給されているとも言えるでしょう。フードロスと言う言葉が先行しているだけで、現業にとって新たな活用方法を見つけない限り、この廃棄は続くと考えています。その一方で、新規に酪農業に参入する若手・中堅世代が微増していることも事実で、これまでと異なる販路開拓(他製造事業者で生産していない物)で所得向上を実現している方も居ます。
このまま円安傾向が続くとすれば物価高は続くことになり、今までは当然と思われていたことが変わっていく可能性があります。実際に、牛肉を例にすれば国内品と輸入品の価格差がどんどん縮まっており、更に最高ランク(A5;実際にはA12まであります)と言われた霜降り牛肉の消費量が減少しています。日本の消費者は国産品を多く買う傾向がありますが、このままでは国内消費量の落ち込みを海外への販路開拓で凌ぐことになるでしょう。