オフィス鴻

江戸前寿司と流通

2023年12月03日

編集人は、大学の学費を稼ぐため約2年間、築地市場(現在は豊洲に移転)で日本各地から空輸される魚介・海鮮類を夜中に仕分け・配送するアルバイトをしていました。日当は8千円程度(18時~翌朝2時)まで、主に北海道産のウニ・甘エビ、下関産の天然とらふぐ、八丈島や鹿児島で水揚げされた生マグロ、旬の高級魚介類などを扱っていて、羽田空港に航空便で届きます。特にウニは1箱(1つの段ボールに90枚程度)100万円以上の卸値が付くこともあり、貨物保険が掛けられていました。

取り扱っていた魚介類は築地市場を経由して主に東日本の各魚市場へとトラック便で運ばれますが、良質のマグロは東京(築地)の次に信州松本に多く届けられていました。海なし県の長野では海魚の需要が高く、他県に比べて高値で取引されりのが理由です。また一般的には、新鮮な魚介類が好まれる傾向にありますが、こと江戸前寿司に関しては東京湾の食材といえども食材の痛みが早く、仕込みや熟成加工に手間を惜しまず、シャリ(寿司用の酢飯)も美味しさの決め手(「シャリ6割、ネタ4割」)として重要視されています。ちなみに、ガリショウガ、ワサビ、バラン(葉欄;主に飾りや仕切りに使う葉)、お茶には殺菌作用があり、海苔は生臭さを抑制する作用があり、江戸前の握り寿司には欠かせない存在です。

ただし、天候不良などで入荷量と需給に大きな差がでる(回転寿司は安定入荷先を確保しているケースが殆ど)ため、一流と呼ばれる寿司職人は仲買人との良好な関係性や、その日の入荷に併せて最高の状態で提供する技術を持ち合わせています。実際に時価(食事に行ったときに職人さんに直接聞くことは全く問題ありません)はお店によって違いますし、「最高の商品を提供して、お店の格を守る」と自負する白木の1枚板カウンターの寿司屋は相応の値が張ることも事実です。また、最近は海外では「OMAKASE」が流行りで、ニューヨークでは高級店ほど繁盛しているそうです。