オフィス鴻

グローバル・ミニマム課税

2024年05月14日

国税庁のHPには、令和5年度税制改正において、2021年10月にOECD(経済協力開発機構)/G20の「BEPS包摂的枠組み」において合意されたグローバル・ミニマム課税へ対応するプロジェクトが掲載されており、経済のデジタル化から生じる税の課題への取り組みとして、管轄区域で決定された実効税率が最低税率を下回る場合には、トップアップ税課税システムが適用され、各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税等の創設が行われたと掲載されています。要約すると、売上高が7.5億ユーロ(約12百億円)以上の多国籍企業は世界中どこでも法人税が15%(実効税率)を下回った場合には、親会社の国で差分を支払う仕組みのことで所得合算ルール(IIR)と呼ばれているそうです。

さらに、日本経済新聞の記事から抜粋すると、日本では2023年3月に法人税法改正に着手し、同9月に国税庁が関連通達を出すことで、この新ルールに合わせた国内法令が整備されました。この新ルールは各国の法人税引き下げ競争に歯止めをかけることを目的としていて、「デジタル課税」導入とともに合意されたとあります。これまで日本企業は低税率国に利益を移転する節税策をとってこなかったため、900社程度は税負担が増加するとのことです。また、進出した国単位での実効税率を計算する必要があるため、有価証券報告書に記載するための基礎データ収集のために、多額のシステム投資と新たな事務作業負担(コスト)が発生するようです。

OECDでは世界で1万社以上がミニマム課税の対象になるとされ、世界全体で年間2千億ドル(約30兆円)の税収をもたらし、税理理法人等の関係者の間では日本は3千億円程度の増収となると試算していますが、本来アメリカのIT企業への課税目的制度であるにしても、グローバルで最適税負担を考えることで税務戦略見直しを検討する契機になりそうです。