オフィス鴻

ステークホルダーツーリズム

2023年11月05日

星野リゾートは軽井沢での旅館開業から100年以上続く企業であり、星のや、界などのコンセプト型宿泊業との認識です。HPにある「ステークホルダーツーリズム」という星野佳路代表の考え方は、国内各地を訪れることで自らの国を深く理解できる、外国に行くことで他国の文化や豊かさを感じられる、そして旅先でその場所に住んでいる人たちと触れ合い、友人になることができるという『世界の人たちを友人として結んでいく』、それは他の産業には真似できない旅の魔法なのだそうです。

星野氏はコロナ禍で激減した旅行需要回復にため、自宅から1~2時間程度で行ける地域内観光を活性化する「マイクロツーリズム」、いわば近場で楽しむ旅行を提唱されています。また、ハワイのビーチでは、人間により荒らされなくなった海岸に海洋生物が戻ってきたとの報道があり、同じく経済活動の停滞が観光地住人や野生生物たちの快適性をもたらした(空気がきれいになり、遠方の景色が見えるなど)といったような話が各地で報告されているそうです。今では多くの有名観光地がオーバーツーリズム問題に直面し、観光客と地元住民の共存という新たな観光の形を模索した視点から「ステークホルダーツーリズム」という街や文化を、ある程度長い滞在期間を楽しむ客層に絞り込むことで、地域のショップ、レストラン、バー、周辺のワイナリーなど、より広い範囲に経済効果を生み出そうという考え方だそうです。

そのほか、ミシュランガイドに対するご自身の意見(日本での出版禁止)も述べられており、日本人も弾丸旅行(1泊2日の観光地巡りなど)ではなく、これを機にバケーション(長期休暇)を楽しめるようになれば、日本の地方再生だけでなく世界各地・観光地のあり方への理解もさらに深まるように思います。編集人も同リゾートの「界」に家族で滞在したことがあり、施設側がレベルの高い利用者を選ぶ必要性を感じました。