オフィス鴻

人的資源・資本と人事

2024年02月26日

昨年の有価証券報告書から人的資本開示が始まり、リクルートの調査では転職市場での人事関連職種の求人件数が5年前に比べて2.4倍に増加しているそうです。一時的にコロナ禍の反動があったにしても、社内育成に時間を要する人事部門が、プロと言える人事関連人材を社外から招へいすることは当然の成り行きのように感じます。なぜならば、一口に人事部と言っても、経営課題に対する人事戦略立案、教育・研修・育成、給与・福利厚生、労務管理、異動計画、グループ会社、採用関連など非常に広範な業務を行っていますので、企業におけるほぼ全ての活動に対する知識や経験をどのような形で活かしていくのか、また事業構造そのものが大きく変化する中で企業内人材の適材適所配置だけでは他社との差別化はおろか、ビジネス感覚に敏感でないと従業員の離職に繋がるリスクが高まってくると考えています。

実際に事業所を往訪していると、企業内にはこれまで人事部や経営層が気づかなかった隠れた能力を秘めている人材や原石に出会うことがあります。それぞれの企業理念や組織の在り方にもよりますが、1~2時間大名行列のように事業所内を見て案内されるだけでは、その事業所内で本社が気づいていないような重要な仕事(役職には関係ありません)をコツコツと行っている優秀な従業員と話をする機会に恵まれ、そこから経営上のヒントを得ることが多くあります。編集人の立場では「本社から来た部長」とみられても仕方ありませんが、こちらから気軽に従業員の仕事ぶりを現場感覚で評価しながら話をすれば、相談相手(一種のメンター的な役割)としてモヤモヤした気持ちを吐露したり現状の課題等を直接把握できるケースは非常に多いです。事業部責任者からすれば優秀な従業員ほど手放したくないことは承知の上で、時には人事部門に昇格推薦レポートを提出することもありました。

人事部門が自ら管理部門から戦略的人事企画部門へと変わるためには、事業所(現場)と本社の橋渡し役を担える人材や、多様な人材(人事部経験は問わない)の創造性を活用する時代になってきたのだと感じます。