オフィス鴻

令和5年度東大祝辞(要約2)

2023年04月15日

「夢」について皆さんにお伝えしたいことの1つは、夢に関わる、心震える仕事をして欲しいということ。自分の夢に関わる本当に好きなことをやらないと、それを徹底的に突き詰めることはできません。また、好きなことをやることとは、他人の評価を気にする他人の人生ではなく、自分がやりたいことに突き進む自分の人生を生きることです。

2つ目は、夢は探し続けて行動し続ける人にしか見つけることはできません。夢は待っていれば突然降ってくるものではなく、探し続けて、行動してみて、その中で少しづつ「彫刻」のように形作っていくものだと思います。周りに流されず、自分の興味のままに、探し続けてください。

一つの分野で世界のナンバーワンになることは、とても難しいですが、いくつかの重要な分野の経験やスキルを、自分だけにユニークな組合せとして持っていて、それらを掛け算して問題解決に使えるのは自分だけという「オンリーワン」にはなることができます。そこでとても大切なことは、「環境が人を作る」ということです。人間は弱くも強くもあり、自分のいる環境をたった一人で突き抜けて大きく成長していくことはとても難しいですが、逆に凄い人たちの中で、あるいは修羅場に身を置いて、難しい挑戦を続けていると、それが普通にできるようになって、その次のさらに大きな機会に手が届くようになります。環境は、「わらしべ長者」のように力をつけて、「経験を組合わせ」ながら得ていくものです。私の場合はそうやって徐々にできることを増やしていって、今に至っています。