オフィス鴻

国立機関の位置づけ

2024年05月17日

ここ数年、少子化やデフレ不況等の影響で、大学全入時代から大学淘汰時代へと移行しているように感じます。かつては、私立大学は受験料(1学部あたり3~5万円×5程度)と半ば強制的な名目を問わない寄付(施設費や1口いくらの寄付金など)や国立大学等の合格発表前に納付する入学金等(2006年、最高裁で入学金は大学に返還義務なし、授業料等に該当する部分は全額返還義務ありとの判決)で多少の定員割れでも大学運営(経営)を継続することは可能でした。現在は有名人気大学以外は家計の事情等などから3校(学部)程度への出願に減っており、更に入学定員数>受験者数となる短期大学や地方大学等で統合や募集停止が行われる斜陽産業のような状態になっています。

また、全国には国立大学は80余校、公立大学は100校ほどありますが、2004年に国立大学が独立行政法人になり、旧帝大などの上位10大学が国の運営交付金の約半分を受け取り、残りを主に地方大学で分配するため、その他国立大学では教育研究費の激減に見舞われているといいます。当然実業の世界でも競争はありますが、基礎研究分野など目立たなくても重要な研究をしている地方大学もあり、編集人も難病治療を受けている鹿児島大学医学部(附属病院を含む)や地方国立大学の地道な基礎研究があったおかげで極めて稀な自己免疫疾患が判明してギリギリのところで命を救われました。

なお、学校経営とは異なりますが同じ独立行政法人である国立科学博物館(東京)が昨年8月に運営資金不足解消のために1億円のクラウドファンディングを発表したところ、1日目で目標額を超え10億円近い資金が集まったそうです。今後、更に国際間での科学分野等で競争が加速化されると思われる中、これからの日本の国力の基となる知的財産を産み出すことへの基礎研究等への投資は減少傾向にありますが、国立科学博物館の例は多くの日本人がその危機感を感じた結果であり民間とは違う予算の再構築が必要だと思っています。