オフィス鴻

物流とアップグレード戦略

2023年10月13日

航空会社では、「アップグレード」と言う制度があります。インボラと呼ばれるダブルブッキング(同じ席に複数の予約が入ること)、かつ購入したクラスの座席が満席でビジネスクラス等に無料でランクアップされることを指しています。また、マイラーと呼ばれるマイレージ利用により座席をアップグレードする旅行(ただし、席数が限られている)や、多数の搭乗回数等による上級会員資格獲得(一部では「修行」と呼ぶそうです)では、ラウンジ利用等で優先サービスが受けられましたが、改定により金額ベースでの上級会員資格取得(12百万円相当の利用)に変更する、エコノミー席を減らし高単価プレミアム席を増設するなど、1運航当たりの収入を上げる施策が導入されると聞きました。やっとラウンジの超混雑から解放されると思うと嬉しくなります。

また、経営面から言えば、1回の運航で係る固定費(人件費、燃料費、離着陸料、駐機代など)が同じである以上、これまで空席運航していた上級ランクの座席を、ある一定条件を満たした場合に「入札」により通常料金より安く利用できるオークションに似た制度で、加算マイル制限はあるようですが、航空会社にとって追加収入をもたらす取り組みです。また、新幹線や高速バス(2席を1千円増で利用できる)などの公共交通全体が収益性向上に向けて取り組んでいる、ある意味当然の企業戦略の1つと言えます。

それなのに、なぜか日本の運送業界では、この当たり前のサービスプログラム(ダイナミックプライシング、メニュープライシング)による1運航あたりの単価UP(時間単位でも可)が進んでおらず、2024年ドライバー不足問題に乗り出した段階です。JR東日本管轄(主に東北)の新幹線でさえ、ビジネス用の座席(3人掛け席の真ん中に仕切りを入れて2人席とする)や空いた座席を利用して高単価商品(高級鮮魚、半導体等)を4t車×3台分も運ぶ時代ですから、物流業界関係者と国土交通省の奮起に期待したいところです。