オフィス鴻

経営者の悩みを考える

2024年02月25日

ここで述べる表題の「経営者の悩み」とは、多忙な中で様々な判断を下さなければならない社長業と、従業員にはこぼせない悩みの本質を探って良い方向に進めるための一種のコーチング的な要素を指しています。社長業は孤独だと言われますが、どこかで安息でき正しい判断を下すための時間を持つためには感情が動く瞬間があることが大切なように感じます。そして感情が動く瞬間を意識的に作るには、秘密を守ってくれる他人(コーチ等)に話をすることで、心の奥底にある内なる声や感情に自ら気付くことが出来る環境に身を委ねることが必要だと思っています。そして、必ずしも業務上のことが原因であるとは限らない点にも留意することが必要になります。

例えば、従業員が一斉に退職してしまう場面では、優秀な従業員を管理職登用したときに起こるケースが多いと言います。その原因として優秀なプレイヤーは必ずしも優秀な管理職(マネージャー)であるとは限らず、あるべき論や自分と同じレベルの結果(成果とは少し意味が違います)を求めることで、離職者が続き組織が崩壊していくリスクに繋がる可能性に気付いていないからだと考えています。中には面倒な上司であっても上手く使いこなせる従業員も居ますが、職場がピリピリし続けていれば逃げ場を求めて隠密裏に他社への転職活動を進める従業員もいることでしょう。その事態から脱却するには、仮に自分から見て仕事のできない従業員であったとしても、細かな指示をしなくても与えた仕事を進めていけるレベルまで育成していくなどの管理能力が必要だと感じます。

また、イギリスの歴史学者であるパーキンソン氏の著書「パーキンソンの法則」によれば、人は利用可能な資源をあるだけ使うという人間の性質(3つの法則)が提唱されています。今後ますます経営では個人・組織の効率性が求められると予測される中で、ムダな残業の抑制、投資対象の選別、価値創造活動などに経営資源を振り向け正当に評価していければ自然と部下育成や人材の新陳代謝も進むと思っています。