オフィス鴻

Coffee Time (Louis Roederer)

2024年01月26日

フランスのチャンパーニュ地方は、ブドウ栽培の北限にあるといわれる気候で2千年近く続く、グランクリュと呼ばれる最高品質の村として認められた世界遺産のワイン生産地です。シャンパーニュ村以外の主にシャルドネ種、ピノ・ノワール種などを原料としたスパークリングワイン(ボトル内で炭酸ガスが発生)はシャンパーニュ(シャンパン)の呼称を使用できませんが、クラマンなどは手頃な価格(最近10年程で約2倍近くになりました)で楽しめます。

昨年の日経新聞に、表題のLouis Roederer社の記事があり、地球温暖化の影響やブランディング政策から2021年から主力商品を全面的に刷新しているとありました。ブドウも作付け年によってブドウの品質が異なるため、リザーブワインを加えてブランドと味などを維持していますが、日本酒や蒸留酒(ウィスキー)などでも同様の作業が行われます。以前は、百貨店や専門店で3,000円前後で手に入ったルイ・ドレレール、高級版(10,000円)のクリスタルですが、新たに個性を活かしたブレンディングにより新たなワインを楽しむ機会が増えてくると思います。

また、ウィスキーにも樽熟成の途中で蒸発することを「天使の分け前」と言います。もし、飲食店で乾杯を意味する「santé(ソンテ)」という言葉が聞こえたら、シャンパングラスの中で泡が途切れることなく音をたてる「天使の拍手」と共に、自然が育んで醸造家が心血を注いだ1杯は、きっとたくさんの幸せを運んできてくれることでしょう。