オフィス鴻

生活保護者のデモ

2024年04月26日

昨年10月、京都市で生活保護利用者と支援団体によるデモが行われました。実業家の西村博之氏(通称「ひろゆき」さん)がデモ参加者への感想をX(旧ツイッター)に投稿したところ、多くの批判的な反応が多く寄せられたそうです。この問題の原点は、日本人は生活保護を受けることに引け目を感じて少ない労働所得でもなんとか我慢しながら生活している方も多くいらっしゃる一方で、国民基礎年金(年間80万円弱)だけでは生活が成り立たない高齢者世帯への生活保護費が各地で急増しており、厚生労働省の資料では約70万世帯(生活保護受給者の約半分)に上るそうです。また、医療券(健康保険に代替されるもの)による医療費増加や不正受給も問題視されています。

今回、ひろゆき氏が指摘したのは、デモ参加者が「たまには鰻が食べたい」「たまには旅行に行きたい」「たまにはおしゃれを楽しみたい」といった主張に対して、年金払い得世代といわれる高齢者世帯を支えているのは働く現役世代であり、旅行も外食も我慢しながら倹約を余儀なくされている方が多くいる点です。編集人も、20歳代の頃は電車賃が10円足りずに4駅歩いて帰宅したり、カーテンや食料すら買えずに1日1食の時期もありました。現在、障害年金をいただけるのも、社会保険料(年金・健康保険・介護保険)と税金を約40年近く納めた結果があるからです。また、日本は諸外国を見渡せば非常に恵まれた社会保障制度(赤字国債の先送りは大きな問題ですが)であり、国が政策的に高齢者の雇用促進を進めているのも高齢者世代内の格差解消と社会保障費削減が目的ですが、さすがに先述の主張だけでは現役世代にとって単なるわがままとしか聞こえなさそうです。

また、デモを支援した団体・活動家(多くはNPO法人など)も、言論の自由は憲法で保障されているとはいえ、上記のような言いっぱなしでは賛同者を得ることは難しいと思いますので、社会保障制度の矛盾点や新たなセイフティーネットのあり方なども同時に議論して頂きたいと感じます。