オフィス鴻

クライアントの信頼感

2024年02月11日

編集人のところに海外からコンサルティング依頼が来ることがあります。コミュニケーションは日本語以外は英語で対応することが殆どですが、15年程前までならある程度まではビジネス英語で伝えることが出来ましたが、その後はほとんど使う機会がなく錆びついた状態です。しかしながら、コンサルティングを依頼してくださるクライアントが最も信頼してくれていることは完璧な英語でのコミュニケーションではなく、日本および東南アジアマーケットに関する知見と経験に基づくアドバイスであり、直接現場の状況をリアルに見てきた上での正確な情報と分析力だと思っています。もちろん、完璧な英語が話せればもっと良いのですが、相手の経営判断に資するレベルの情報は、人から見聞きしたものでは上滑りして「So What?」とコア部分が伝えきれないと感じています。

また最近のコンサルティング会社は、クライアントの依頼に対する雛形(定型フォーム)の使用が主流のようで、当然ながら従業員が全ての分野に高い専門性を有している訳ではありませんから、その不足している部分を編集人のような特定領域のプロフェッショナルにアドバイスしてもらい参考・補完しているように思います。数年前に購入したYahoo執行役員であった安宅和夫氏の著書に「イシューからはじめよ」という本では「どこまで意味のあるアウトプットを生み出せるかによって存在意義が決まる」とあり、労働時間の長さだけでは得られない高生産性ベースを達成する言葉があります。

つまり、システム用語として使われることの多いアジャイル(Agile;「素早い」「機敏な」)という小単位での実装テストを繰り返すことで開発期間を短縮したシステムやソフトウェア開発におけるプロジェクト開発手法のひとつと同じで、イシューの定義は課題に対して適切な答えを導く必要性の高さとも言えますが、そこに解像度の質(現場の生の情報)を加えてバリューのある仕事にできる能力こそが、本当の意味でクライアントを満足させる仕事が出来るのだと考えています。