オフィス鴻

コロナ後の企業経営

2024年03月16日

コロナは、多くの企業経営に多大な影響と、将来を背負う日本人へ負の遺産を残しました。245万件の企業が利用した総融資残高が42兆円を超える「ゼロゼロ融資(利子補給方式による実質的な無利子・無担保融資、3年間の返済猶予期間あり)」の返済が7月頃から本格的に始まりました。さらに本年1月から返済困難な中小企業向け借換保証制度(最終的に回収不能債は国の保証のため税金で賄う)として整備・実施され、新たな負の遺産が増える可能性があります。特に飲食業では物価高・人件費高以上に、お客さまからの信用がなければ客足は戻らず、閑古鳥が鳴いている状態だと思います。

当初から、本来なら金融支援を受けられない経営状況(事業継続が困難)である企業にも緊急避難的措置としてバラマキ的に融資を実行した結果、手元資金のショート、世界的な原料・エネルギー高、欧米各国の金利引き上げ(円安の一要因)など、この先の経営継続(再建)を断念する「息切れ倒産」の頻発が懸念されています。もともと事業継続年数が短い飲食関連にのみ手当金が支給されたり、書類審査だけで融資が実行されたのですから、その返済不能リスクは他業種に比べて遥かに高いでしょう。そのほかにも、混乱に乗じて架空請求事案(PCR検査、コールセンター業務の水増しなど)も日本全国で次々と発覚しました。中には社会保険労務士が不正請求に加担したり、最初から計画倒産を考えている不届き者もいたかも知れませんね。

既に飲食業界では人員削減に踏み切った企業では、人手不足に依る人件費高騰が顕著になっています。ただし、M&Aのように事業資産(従業員・技術力、取引先との関係など)が他社に譲渡される事業承継であれば、規模の論理から資金面で困難だったデジタル化の横展開や間接コストの削減などの経営効率化や生産性向上による収益改善が見込める場合もあります。もちろん、M&Aが最良施策だとは限りませんから、中小企業の後継者問題や本当の経営実態把握などをもとに、現経営者の選択眼が求められると考えています。