オフィス鴻

スタートアップとJカーブ

2024年03月19日

オンリー・ワンの技術(アイデア)があり、その独創性と複数の人的・知的無形経営資源、業態・市場ニーズなどを掛け合わせれば、提供サービス(付加価値)に対して大きな利益がついてきます。ただし、スタートアップの起業には経営に必要な視点(経験・知識・スキル・情熱・人脈、資金調達)など、いくつものシナリオをアウトプットしてみる作業(アイデア出し)を繰り返した上で、市場評価を検討する、アイデアを絞り込む、シナリオ通りに進まなかった時の撤退判断基準(起業後の成功確率は、10~20%と言われています)を明確にしておくなど、俯瞰的な視点を持って進めることも重要でしょう。

さて、Jカーブとは「事業開始後は赤字でも、その後短期間で急成長することで累積赤字を一掃することができる」ことを成長曲線としてグラフ化したものです。特にスタートアップ企業では、まだ世の中に認知されていない新たなアイデアや技術をビジネス化するため、成功すれば驚異的なスピードで成長曲線を描く可能性を秘めています。これは既存企業であっても「顧客の不便を解消する」という他社には真似できない社内起業にも当てはまります。例えば、ある架装メーカーでは緊急車両(消防車・救急車)の開発をしていますが、ユーザーオリエンテッドの視点で救急車両を「もう少し広くしたい」「走行中の揺れ・振動を減らしたい」「使いやすい仕様に変えたい」など、独自の視点で研究開発を進めているそうです。

大企業に勤務される方の中でも、「世の中の役に立つこと」と「特定のニーズを持つ企業に、良い結果をもたらすこと」ができれば、安易な価格競争に巻き込まれずに適正価格で大きな利潤を得ることは可能だと思っています。普段から新しいアイデアを整理・プランニングを行い、挑戦する機会が巡ってきたときに社内ベンチャー化や終身雇用に縛られない生き方の選択肢が多くなることは、働くうえでこの上ない幸福なことだと思いますが、如何でしょうか?