オフィス鴻

デシジョンメイキング

2023年09月12日

ディシジョンメーキング(Desision-making)とは、適切・的確な意思決定を指すMBA用語の1つです。意思決定には、根本的な原因解決に繋がる施策を行うために正しい現状把握が重要であり、複数選択肢からの高度な課題解決には欠かせないものと考えています。多くは経営マターとなる戦略的な非定形課題に対する経営層の意思決定を指しますが、それ以外にもルールに基づくミドルマネジメント職による意思決定、現場レベルで行われる日常的業務遂行での意思決定も含まれています。

また、意思決定には極力不確実要素を持ち込まないことが原則ですが、往々にして不確実要素を全て排除することは困難で、VUCA(変動性;Volatility、不確実性;Uncertainty、複雑性;Complexity、Ambiguity;曖昧さ)を考慮に入れた柔軟な対応、および迅速なフィードバックによる次段階の意思決定が求められます。ノーベル経済学賞受賞者で、人工知能の生みの親と言われAI研究や経済学、経営学に大きな影響を与えたハーバート・サイモン氏によれば、①課題・問題の特定と現状把握、②選択肢の洗い出し(デザイン、メリット・デメリット、リスクの予測)、③採用する選択肢決定の3ステップを合理的に組み合わせることが必要だとしています。その中でも、制約条件(限定された理論などの合理性)やメンバーが発言を自制する行動であるグループ・シンク(集団浅慮;楽観主義的集団による根拠のない不合理な意思決定)など、無意識の力学関係から企業内でも頻繁に起こり得るのです。

これは、解決すべき課題の構造化・仮説思考・価値創造のストーリーなどの高い思考力(スキル)と現場把握(視点や経験など)が幹部に必要なことを示しています。全ての意思決定には必ずデシジョンメーカー(最終意思決定権限者)が関わり、成功・失敗の確率・到達度が変化する幹部級人事異動は、個人的な好き嫌いを排除して慎重を期して行われるべきだと思います。今回のビッグモーター社事件は、デシジョンの失敗を示唆しているでしょう。