オフィス鴻

ハイエンド人材の採用

2023年12月15日

会社方針(経営者)が変わると社内の雰囲気や力学に変化が生じます。また、経歴や業界経験・知識などを重視した結果、本来の目的(何を求めるのかの視点)から乖離した同質化により、人事採用者は社内に波風を立てないと思われる人材をベースにリスクを取らない採用を進めがちです。また、日本企業の多くは「人を見る」評価軸の中に、同質化の弊害リスクを異質性を受け入れ、新たな風土と活躍の場を作る面(改革)に弱いと経験上感じていましたが、最近流行りの「やりがい・働きがい」を前面に押し出した人材獲得とは明らかに一線を画するものに思えます。

ところで「フラッグシップ」とは、「そのメーカーを象徴する代表的なモデル・代表的な唯一の最上位製品モデル」のことを意味し、司令官が搭乗していて船団を統率する旗艦を意味しています。また、「ハイエンド」とは「そのメーカー製品のラインアップにおいて、もっともスペックが高いシリーズ最上位モデル」を意味し、事業戦略部門における責任者であると考えています。ビジネススタイルは違っても、この他社との違い(差別化)こそが人材採用と企業活性化における要諦であり、先述の本来の目的が単なる欠員補充でない限りは、戦略的採用を行うのは人事部ではなく経営マターだと思っています。

つまり、事業責任者クラスの採用では、候補者に最小限の経験・スキルがあれば、経営層(部長級も含む)は洞察力・好奇心・胆力など数値化できないスキルを解像化して見極める能力が非常に重要だと感じます。その上で、成績の優秀さ(企業により基準・解釈は違います)や目先の業績を求める採用ではなく、組織活性化の可能性や将来像の実現に向けた「ハイエンド人材」の観点で採用が目的であれば、どんなに優秀でも周囲に悪影響を与える誤った人材採用による組織混乱のリスクは避けられると考えています。