オフィス鴻

プロの仕事と料金交渉

2024年02月15日

交渉とは、相手の立場(意思決定者:ディシジョンメーカー、担当者:相手方全員に伝わりやすい簡潔な表現を用いる)を想像してプランニングを行い、複数の選択肢から優先順位を決め、最悪の状況をも考えながら譲歩可能な範囲で妥協点を模索する作業とも言えます。つまり、交渉の要点を整理しておき、誰が同席するのかによって、その場で相手から結論を得られるように準備しておくことがポイントです。その作業が済んだら、事前に社内決裁できる程度の情報共有と可否判断基準を決めておくこと(根回し)が必要となります。

つぎに、対面交渉を想定して話を進めていきます。まず、交渉のテーブルについたら非言語コミュニケーション(目は心理状態を表しやすいので本心が透ける、口角を上げてポジティブなイメージを与える、後傾姿勢は居丈高な印象を与えるのでNGなど)で交渉相手との距離感を測ります。そして、最終的に相手方の誰の意見が一番重要視される(ここが意思決定者を見抜くの最大のポイントで、組織内序列の最上位者とは限らないことに留意)のか、どこに相手の興味(判断基準)があるのか、その日の交渉でどこまで意思決定(職務権限の範囲)できるのかなど、会話等の中から探っていくのです。ただし、長々とした説明資料では論点がぼやけるだけでなく、本題以外の話に逸れがちで相手のペースに巻き込まれるリスクが高いので極力避けます。仮に、意思決定(合意)前からゴルフの話が始まったならば、その日は交渉内容を絞り込み次の交渉内容準備に入りましょう。

また、交渉の上手い人は、相手が判断しやすい環境下で話を進めていくので、利他(相手方の事情を察することが出来ている)を前提に、「プロの仕事に対する適正原価・適正利益(時間・工数単価×時間・工数にするとわかり易い)」を伝える資料を使います。具体的には、相手の反応率が高いと見込まれる内容を1行で簡潔に伝えるライティング技術や、色の使い方や文字のバランス・字体の選択などです。そして最も重要なことは、こちら側が譲歩できない内容(回答)なら交渉を打ち切る覚悟を持って臨むことだと考えます。