オフィス鴻

リモート接客と接遇

2023年06月18日

コロナ禍と人手不足、AIの進歩が大きなきっかけとなり、小売業を中心にオンラインを活用した非接触・非対面型リモート環境導入が増加しています。対面接客の分野にリモートを取り入れるとインタラクティブな顧客体験を提供できますが、人との触れ合いを求める対面ならではの良さも再認識されています。また、チャットボット(自動会話)方式の導入は、問い合わせ業務がメインであらかじめ用意された設計思想に基づいて自動応答を行うAI接客、「ビデオ通話」や「ライブ配信」などは顧客との信頼関係構築やマス・ブランディング、ロイヤルカスタマー化への活用など、それぞれの業態に適した接客への活用が考えられます。

一方、固定コスト削減や働き方の多様性(例えば遠隔地、障害者など)にも対応できる反面、視覚と聴覚以外のコミュニケーション分野は今後の開発分野であり、イレギュラーへの具体的な対応が難しいことと、実店舗でスタッフが行う「おもてなし」や「気配り」、「柔軟な対応」など人間特有の分野での活用はまだ十分に進んでいません。視点が変われば当たり前が変わる一例ですが、人を介した接客が出来る範囲と併行的分離の下に行えれば、リモート接客も有効な手段の1つでしょう。

また、仮想空間(VR)上のアバターを活用できる業種であっても、気遣いや意思決定を最も体現できるのは、人間同士のコミュニケーションだと思います。その理由として接遇(マナーも含む)では、身だしなみ、挨拶、言葉遣い、表情、態度以外に「メラビアンの法則(聴覚)」が引き合いに出されます。「相手に好印象をもってもらう」「内面の良さを知ってもらう」には、声の使い方(トーン、ボリューム、声質)も重要と言われており、接客メインの飲食業や営業以外の仕事でも大変参考になるところで、編集人も普段から取り入れるよう心がけています。