オフィス鴻

人生を企業に依存する選択

2023年12月13日

世界との競争力を大きく失った約30年間の長期デフレにより、一億総中流時代は過去のものとなり、日本の経済状況(国民生活)は一部の企業・富裕層を除き悪化しています。有識者の中には、経済合理性の観点から企業が終身雇用制(年功的賃金)を維持できない原因として、非正規雇用(正社員数の抑制)と社会保障を軸とした経済システムの疲弊などを挙げる方も多くいます。また、労働者の立場からの政策立案に乏しかっただけでなく、特にセイフティーネットとして老齢基礎年金だけでは生活できない生活困窮者の増加は、生活保護制度(本来の目的は、社会復帰までの一時的支援)の増加・悪用など、国民側にも自律性と危機意識に欠けていた点が挙げられるように思います。

生活のため定年後再雇用制度で好きでもない仕事を65歳まで続けざるを得ない方も多くいる一方で、日本の現状から逃れるように海外で働く日本人も増えています。また、一般的な企業に勤めていれば老齢厚生年金を受給できるため、50歳代に入ったら生活レベルを年金収入+αで賄えるように徐々に生活そのものを見直すことも必要でしょう。編集人の場合は、子供が独立したことを機に住宅ローンを一括返済(繰り上げ返済もしていました)することで、妻との話し合いであまり精神的に負担を掛けない程度に生活レベルのダウンサイジングを行い、現在に至っています。最近は40歳くらいで75歳完済の住宅ローンを組む方も多いようですが、借入金利が低いとはいえ健康寿命を考えると65歳以降の生活そのものに支障が出る方もいると思われます。

企業に勤めることで、余程のこと(倒産、整理解雇など)が無い限り生活の安定、退職金・再雇用、社会保障費の半額負担などで非常に多くのメリットを享受できます。しかし、退職後の自分自身の人生に対するプランニングは自ら行うもので、企業の責任範疇だとは思いません。換言すれば、人生の設計図をいつでも描けるよう、自分を磨き続けることが大切なのだと思います。