オフィス鴻

介護業界の人手不足

2023年10月25日

編集人は、数年前に実父を亡くしましたが、約3年半で介護施設を3か所移り、最後の2年間は実母の希望で実家に近い施設にお世話になりました。場所柄、相応の費用負担(月30万円程度)で行政からも優良施設と聞いていましたが、実際は介護職員による父親への暴力・虐待もあったようです。ただ、母1人での自宅介護は困難(要介護5、全身麻痺)で、他にも被害者が居ることも考え警察に刑事事件として告発するか悩みましたが、最終的には母の意向で施設運営者への相談という形をとり、暴力・虐待行為に関してはその後改善が見られたそうです。

介護士と言う仕事は、給料が安い肉体労働的なイメージが強く、責任者の資質でも離職率が大きく変わるようです。つまり、隠ぺい体質(暴力行為などの内部告発への対応)であったり、他業界からの転職者との軋轢(一段低い仕事として見下している)や仕事上のストレスを同僚や若手に向けるハラスメント行為、入居者からの暴力・暴言など、どの業界でも起こり得る人間関係でのトラブルが離職を生む主要因である可能性が他職種よりも高いようです。その中でも倫理観の欠如は本人の問題であり、志高い若手職員がいる一方で、他業界から生活費を稼ぐことだけを目的として転職してきた職員も中にはいるでしょう。もし、その職員自身が介護される立場になったとしたら、それらの行為をどう思うのか少し考えれば、自ずと接し方に現れるものだと思います。

また、慢性的な人員不足の職場の特徴として、介護施設に限らず仕事上の適性の有無はあるにせよ、従業員間と取引先(介護では施設利用者)のコミュニケーションが正しく図られていないことが多いと感じます。介護士の処遇面では改善傾向にあり厚生労働省の資料では2021年度で月額32万円程度(夜勤の有無は不明)と、運送業界平均とほぼ同じ平均に近い水準の範囲内にあります。ようですが、人生100年時代と言われる日本での労働力不足を緩和するために自分に何ができるのか考えさせられる出来事でした。