オフィス鴻

儲かる農業への挑戦

2023年08月10日

高知県南国市に独立就農を支援する起業家がいらっしゃると聞き、PRESIDENTの記事を参考にSNS等で調べてみました。この起業家は新規就農するにあたり、高齢化が進む中で競合相手が少なく、かつデータを駆使した効率的な栽培方法を取り入れ、全国トップクラスの収穫量(胡瓜;10aあたりの年間収穫量35t)と売上(1,300万円)を達成しているそうです。収益性は不明ですが、自社で価格設定ができる市場外流通により首都圏の量販店や加工業者向けに全量契約栽培とした販路を確保しているそうです。

また、高知県農業技術センターのデータ活用方法や先端技術を学んで栽培方法に取り入れることで、豊凶の差に依る価格変動へのリスクヘッジを最小限にしたうえでの再生産が可能となるよう、設備投資では徹底的なコストカットに加えて、光合成による成長促進ができる設備としているそうです。さらに、夏場の3ヶ月間には栽培を行わないでも収益が確保できるようにするなど、これまでの補助金主体の保護農政(消費者負担型)から脱却することで、安値での販売は行わず、収益は新たな研究への投資と従業員の待遇に反映させているそうです。さらに、規模拡大には資本力が必要と考え、岡山市にある異業種(生姜事業にも参入している)との資本提携を選択して事業スケールを拡大し、日本一のキュウリ生産企業となることを目指しながら、県内での雇用創出も力を入れているとのことです。

編集人がこの記事に興味を持ったのは、技能実習制度(後日のブログで掲載予定です)により、全体の7割に当たる4万人の外国籍の方が農産物の大生産地で働かれているのですが、就業先の少ない高知県で月額基本給20万円は農業法人関係以外を含めても破格の待遇だそうで、独立志向の強い若い人達が集まるため基本的に辞めていくことはなく、求人を出せばすぐに応募があり人手不足とは無縁だというところです。これまで農業のIT化・DX化の話を聞くことはありましたが、雇用創出を前面に押し出す姿勢には感嘆します。