オフィス鴻

地方経済と雇用就農

2024年01月28日

農林水産省HPには、土地利用型農業・施設園芸・畜産・農業を営む法人である「農業法人」があり、株式会社や合名会社、農事組合法人に大別され、農地法の所有要件を満たした法人を「農地所有適格法人」と言うとあります。また、2021年の新規雇用就農者は前年比で115%(11,500名)、15~29歳の方が全体の38%を占めており、実践によるキャリアアップ(実家が農家の後継者、将来独立したい農業未経験の従業員など)やモチベーション向上にも積極的だと言います。

法務省・農林水産省の資料では、農業での受け入れ者数は新規受入数と技能実習 2号への移行者を含めると約2万人の外国籍の方が日本で就農されているそうで、農業経営体の日本人常時雇用者数 15.4万人の14%に相当しています(直近の数値は把握できていませんので悪しからずご容赦ください)。また、「EPA(Economic Partnership Agreement);経済連携協定」によりベトナムから来日され、職種は異なりますが介護福祉国家試験(2018年開始)に合格(合格率は50%程度、ベトナムの方は90%以上だそうです)して就業されている方が数百人と増加傾向にあります。

なお、過去の日本の技能実習制度は就業先を自ら選べない、自分で自由に仕事を辞めたり転職ができない、ハラスメントや不当な賃金搾取、受け入れ側の既得権益(利権)、ブローカーの存在など、労使関係の非対等性と人身売買的な構造に起因する色々な問題が指摘されてきました。その後、2009年の入管法改正で在留資格が正式に認められた技能実習1・2号、2017年の技能実習法制定で正式に認められましたが、地方で暮らす人たちの生活(仕事・所得水準)や後継者不足対策という考え方自体を変えていかない限り、日本が魅力のある国として海外から来日した労働者から高く評価されることは難しいように感じます。