オフィス鴻

心と精神の健康維持

2024年04月06日

最近の新入社員や若手社員は、ジョブ型採用の拡がりや転職環境の充実などにより、己のキャリアプランに基づき勤務先企業は夢を実現させるためのワン・ステップと考え、仕事よりプライベートを重視する傾向が高く、上司や同僚との会食・酒席などを避ける方も多いそうです。もちろん、長期的な視点で自身のキャリアプランに対するビジョンを描きながら働くことは非常に大切だと思いますが、度が過ぎると周囲の協力が得られず、ストレスの原因となることは肝に銘じておく必要があるでしょう。

心理学者のジョン・D・クランボルツ教授が提唱した計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)というキャリア理論があります。要約すると、個人キャリアの80%は予想していない偶発的なことで決まり、その不測の事態(偶発性)を計画的・体系的に取り込むことで自身のキャリア発展に活かすことができるという理論です。また、個人の意志だけで社会や企業の状況をコントロールすることは非常に困難ですが、偶然性を意識的に引き寄せるためには、好奇心・持続性・柔軟性・楽観性・冒険心など、外的要因を含めて積極的かつ柔軟にリスクをとることが大切だと述べられています。つまり、普段から意識を研ぎ澄ました行動を続けていれば、行動回数の多い人ほど様々なチャンスに遭遇する頻度が高まるので、チャンスが来たら逃さずに自分でつかみ取れるということでしょう。編集人も偶然の引き合わせが、今の人生の大きな分岐点になった経験が幾度もありました。

もう一つ、「笑う門には福来る」という言葉がありますが、笑うことは体内の血液循環が良くなり、リラックスによる自律神経の負担軽減などに繋がると言われています。身近な例で言えば、中の良い友達とランチしながら他愛もないおしゃべりをする、休息期間を自分の意思で設ける、落語(古典落語は江戸時代の文化・生活・言葉が理解できる程度の教養は必要です)を観る・聞く、短時間でも良いので趣味の時間を楽しむことなどでしょうか。