オフィス鴻

思考教室という講義

2024年05月03日

ダイアモンドオンラインの記事に、アメリカのイェール大学で「思考教室」という講義に、多くの学生が殺到して夢中で学んでいるとありました。イェール大学と言えばトップクラスの学生が集う名門校で、知的エリートたちが何を求めてこの講義に殺到しているのか、その内容に非常に興味を惹かれました。ここから先は、当該記事を参考に編集人なりの経験や考えを織り交ぜながら考察してみたいと思います。

実験内容は、ある事柄について被験者の知識レベルを自己評価してもらったところ、実際に身に付いている以上に知識があると思い込む傾向があったそうです。自己評価の中心値は真ん中(7段階評価の4に相当)付近に集まっていたそうですが、その後さらに詳しい説明を書きだしたり口頭説明を求めたところ、殆どの被験者は自分がそのことを深く知らなかったことに気付き、質問を繰り返すほど自身の思考の限界に対する謙虚さが増していったそうです。また、事前準備が可能な想定問答では対応できないような質問には、客観的な回答ができないことを認識(過信)したともありました。このことを「思考の穴」と呼び、相手に過信による錯覚を認識してもらうことで、論理的な反論を行わずともスムーズな話し合いへと移行できるということだとありました。

ビジネスに関われば、やたらに上から目線で話す方や、難しい言葉・言い回し・自己保身など論理的でなくても相手より豊富で比較できないほどの知識があると思わせて強気の交渉をして好条件を引き出そうとする方を多く見かけます。そのような視点で物事を見てみると、過信がビジネスや社会生活に及ぼすことが如何に多くあり、かつ深いレベルでの自律的学習が必要であるのかを理解して実践することが成果を得るために重要な要素であるように思えてきます。もちろん、ビジネスをしていくうえで企業や取引先への一定の配慮は必要不可欠であったとしても、理不尽な要求を全て受け入れる必要はないことを理解していれば、相手の態度を硬化させない程度に的を得た質問をするのも1つの知恵でしょう。