オフィス鴻

異動先での留意点

2023年12月18日

編集人は、一番多い時で30名程の直属部員を預かっていた時期があります(役員としての管掌人数は数百人までありました)。それぞれの受持業務がある場合には、異動してから原則3ヶ月間は極力仕事の進め方には口をださずに、仕事の様子や進捗状況などを観察することにしていました。その理由は、大きく分けて3点あります。

1つ目は、新たな部署でいきなり自分流の仕事の仕方を強要すると、本来耳に入ってくるはずの情報が上がらなくなり、場合によっては間違った業務処理や不正行為に気付くことが出来なくなるためです。企業には、昇格により何か新しいことをして自分の存在を知らしめたいのか、一つ偉くなった気分を満足させるためなのか、事務方や現業職員に色々な資料を作成・提出させる方がいますが、正直部員の生産性を落とすことになると思います。そのため、1人1時間ほどのヒアリングに徹して、それ以外は普段通り仕事をしてもらいました。

2つ目は、その部署や関連部署に対して特別のミッションが経営から与えられている場合があり、いきなりミッションに入ると部員が委縮したり、他部署への異動を勘ぐったりするため、そわそわした状態が他部署の部員にも伝播する可能性が高いからです。また、適任者(キーパーソン)の選択を間違えると、様々な情報がすぐに社内に拡散されるのを防ぐ面もあります。

3つ目は、指示待ちによる業務の停滞が起きないよう、レポートラインを最低限に絞り込むことです。特に年配の従業員の方が多い部署では、組織図にないレポートライン(情報交換ルート)が作られていることも多く、ファクト(事実)を正確に把握できないことがあります。また、指示待ちが発生しやすい部署の特徴は、業務に対する不文律が存在していることが多いように感じます。

あくまでも編集人個人の考え方であり、非管理職の方にも異動時に何かしらの参考になればと思い記載してみました。