オフィス鴻

知恵の引き出し(1)

2023年02月14日

編集人は、40歳台後半から東証プライム市場の企業経営者(創業者)の直接の指示の下で、仕事させていただく機会に恵まれました。また、これまでも経営企画・営業企画・人事戦略・物流企画部門に長く在籍していたので、幸運にも経営者の考え方に直接触れることができました。そこでは経営組織に於ける二つ上位(課長なら本部長や役員)の思考をベースに仕事することを心掛け、事前に方向性や考え方などを上長に相談する(3割、7割程度の完成度で確認)こと、企画全体の意図(企画書)を会議の数日前には直接経営層に伝えておき、必ず直接議論ができる時間を確保していました。

特に現場(営業部門・管理部門なら業務系)との意思疎通は非常に重要で、正確性と収益、組織全体の生産性向上との相関関係と合わせた企画に心がけました。具体的な業務執行では、現場には本社が把握できてはいないが重要な役割を果たしている隠れた業務も多く、「事業所往訪は企画内容の答え合わせの機会であること(目的のない往訪はむしろ事業所側にとって迷惑)」、「本社と現場との不合理性の矛盾(現場の不満)について、企画を通じて適切かつ迅速に改善すること」を本社と現場両方の目線を常に念頭に置いた活動に重点を置きました。転職時には経営環境・組織構成への深索を繰り返し、最初の1年間ですべての現場(100か所くらい)を訪問、翌日朝一番には往訪レポート(良い点・改善すべき点などのレポート)を上位職へと提出し、その後は経営者の意向を適宜確認しながら、諸企画の実行にあたっておりました。

ただ、転職先企業へ入社したら、1年目は自分の考え方で強引に仕事を進めていくことはせず、郷に入れば郷に従うべくキーパーソンとなる役員・社員とのコミュニケーションに努め、他部署にいる社内事情に詳しい方を探し出し、こちらから直接・間接を含めて相談することにも心掛けていました。