オフィス鴻

究極の労働(窓際族)

2024年02月24日

日本では1980年頃から、管理職から外れて仕事も与えられず窓際に追いやられた中高年層がデスクで新聞を読んだり、外を眺めては時間を潰すという「窓際おじさん(窓際族)」と呼ばれる従業員が多くの企業にいました。その後、1990年代頃(バブル崩壊)から終身雇用制の崩壊と成果主義導入により、窓際での安住が許されなくなると「追い出し部屋」で全く仕事が与えられないなど暗黙の退職勧奨が問題視されました。近年は65歳までの定年後再雇用が義務化され、50歳代で役職定年制(ポスト不足)、30~40歳代で希望退職や退職勧奨(合意退職)が行われるなど、日本型終身雇用の悪い面が強調されてきたように思います。海外では経営層に近い上位ポジションの仕事は報酬と比例して過酷になり、昭和時代の働き方(24時間戦えますかのCM)と同じように若いうちに稼ぎ、株式配当・売却益等で生活ができるFIREを目指す方も増えているそうです。

一方で、日本企業ではジョブ型人事導入の弊害として、与えられた仕事をきちんとこなす代わりにそれ以外の仕事はしない、上昇志向はなく緩い職場で生活できるだけの収入があれば良いと考える従業員が増加しているそうで、海外の労働者は窓際族に対する憧れに似た感情がある方がいると言います。現在では、提供スキルに見合った報酬制度を導入する日本企業も増えており、20~30歳代で年収1千万円以上を得る活躍人材がいることは良いことですが、その裏で中高年齢層の従業員に対する配慮不足(比較的高給の割に生産性が低い、適切な戦力化ができないなど)も顕在化しています。

そのため厚生労働省が中心となってリカレント教育(労働者の自律的・主体的かつ継続的な学び・学び直し)を推進する「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」を策定しました。企業・労働者を取り巻く環境が急速かつ広範に変化し、労働者の職業人生の長期化も同時に進行する中で、労使が協働した施策・制度が必要だとされていますが、固定費化する定年後再雇用の従業員に何を求めれば良いのか分からない企業も多いのではないでしょうか。