オフィス鴻

経営判断速度の違い

2024年03月27日

昨年夏、コロナ禍での在宅勤務(リモートワー)・ビデオ会議・商談等での使用が急速に普及したZoom社(アメリカ)が通勤圏内従業員は週2日程度のオフィス勤務に戻すとの報道がありました。きっかけは、顧客目線での就業環境に身を置くこと自体が従業員の裁量と意思に任せた商品開発に比べて、本当に顧客の要望するサービスとなっているのか、事業責任者が疑問に思ったことだそうです。実際に様々な改善・課題事項が見えてきたそうで、限られたオフィススペース(会議室)を有効に使うために同じ会議であれば同一の会議室利用を提案する機能、出社時のスペース(席)の予約機能、画面上で分割された出席者の名前を表示する機能などを開発・搭載したそうです。

従来は、オンライン上での使いよさが重要視されていましたが、徐々に顧客の出社頻度が増えるにつれ国や地域の商慣習等の違いを理解することができなければ、在宅勤務での業績・評価等が公平性に欠けたり、実際には自宅(仕事場所)で何をして業績に貢献しているのかという経営者の危惧を解消させる製品品質向上が、アメリカの全リモート勤務者を30%にまで減少させる結果に繋がったと考えているそうです。そのためには、出社日には同僚とのコミュニケーションがとりやすくなる、組織が活性化する、自社製品のレベルアップ(付加価値向上)が期待できるなどハイブリッド型勤務こそが現時点では適しているとの経営判断に至ったとのことでした。

リモートワークの先駆者であるZoom社ですから、見方次第では提供ビジネスに対して自己否定的な感じを受けます。しかし、組織を変革する必要があるとする経営判断の早さは国民性や法制度の違いはあるにせよ、日本企業が月1回の取締役会と月数回の経営会議等で経営陣に意見を言いづらいことが一般的であるのに比べてスピード感の違いを感じます。明確な答えのない経営課題に対して、リスクを承知の上で迅速に行うのか、それとも慎重に熟考するのかは、経営者の時間に対する価値の違いだと思います。