オフィス鴻

詭弁と論理的思考

2024年04月09日

ビジネスをしていると、相手方や社内の他部署から非倫理的な理屈(へ理屈とも言います)で振り回されることがあります。例えば、こちらの責任でないことや関係ないことに様々な理由をつけて、一方的に自分の考えを正当化して通そうとする方を指すのですが、論理的思考の習慣が身付いていれば、詭弁(故意に行われる虚偽の推論)に対して正攻法で論破できます。ただし、重要な取引先や上司(役員等)である場合には、ある程度熟考した上で正攻法での論破を逡巡する場面もあります。そこの線引き(さじ加減)は、その場面で本当に議論されて出されるべき結論や方向性が定まっていれば、言葉の定義があいまいな相手方の詭弁や非論理的発言を相手の人格を否定せずに修正していくことができますので、あとは相手に恥をかかせない程度にビジネス上(または社内力学)の落としどころを探すことになります。

編集人も相手方が形成不利だと感じた(殆どが感情論になる)と思われたときに、論点をすり替えたり、議論自体を有利に運ぼうと上げ足をとる(言葉尻をつつく)ような発言を繰り返してくる場面に何度も出くわしました。もちろん、こちら側が感情的になって相手のペースにはまってしまえば相手の思うつぼですから、論理的思考と事実(ファクト)を基に「その議論は今回の件とは関係ない」ことを冷静に伝えて、本来の目的の議論へと軌道修正していく必要があります。つまり、相手が何を言おうとも論点から外れないようにすれば不毛の議論が続かないで済むのだと考えています。

一番多かったのは「(相手のことを)信用できないのか」と言われることでしたが、お互いの信頼関係(契約書、ルール)の上にビジネスは成立しているのですから、こちらが損失を被る前にリスクヘッジするのは、慈善事業でない以上は当然の行動なのです。先程の「言葉の定義」以外にも「選択肢の有無」「考慮すべき事情」などを総合的に判断して、論理的な矛盾を起こさない思考が日常的にできるよう準備しておくことが、トラブルを事前に防止する最良の策だと思っています。