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アメリカの保険事情

2024年05月15日

アメリカの医療レベルは世界で最も進んでいると言われますが、日本の国民皆保険制度とは異なり全ての国民がその恩恵を遍く享受できる訳ではなく、仮に虫垂炎などの比較的簡単な手術でさえも数百万円の費用が生じるため、貧富の差(金銭)により治療・手術等を受けられない患者も多くいるそうです。つまり、公的医療保険制度では最先端治療を受けることは困難で、高額な医療保険への加入という経済合理性の上に成り立っているのが現状だと言えそうです。さらに、保険会社と病院間でも治療等に関して提携ネットワークがあり保険の種類によっては治療制限等が課されるそうですが、日本では月額数万円程度の自己負担で高度治療(抗がん、手術等)が保険診療範囲内であれば受けられるため無駄な診療・検査・投薬などを生み、社会保障費膨張を助長して国家財政に大きな負担を掛けている側面があるとも言えます。

例えば、海外旅行・駐在・ワーキングホリディなどでも日本の公的医療保険(健康保険・国民健康保険)が適用される例として「海外療養費制度」がありますが、その治療が日本国内で保険適用になっている医療行為のみが対象となります。また、もし海外向けの医療保険に加入していない場合は現地で全額自己負担となり、後日帰国後申請により概ね3割が払い戻される仕組みがあります。ただし、最近の円安傾向で相対的に医療費も上昇している上に日本で保険がきかない治療等(差額ベッド代、美容整形、高額な歯列矯正、臓器移植など)を受けた場合には海外療養費の対象にならないことに留意する必要があります。

その他にも、国際運転免許証を使って海外で自動車運転中に不注意により事故を起こせば相手方から高額な損害賠償請求訴訟が起こされることは必至でしょう。日本国内でも車検切れ・無保険車・飲酒運転等による重過失事故は保険支払いの対象外となる約款が定められていることが殆どですから、最近は任意保険に弁護士特約等を加える方も増えていますね。