オフィス鴻

ドラッグ・ロス問題

2024年04月28日

厚生労働省の資料によれば2024年度の国家予算のうち40兆円を医療費が占め、公定価格改定により診療基本報酬は30兆円(増額)、薬剤費は10兆円(減額)されました。また、現在10兆円を超える介護保険費についても保険料の引き上げが行われますが2040年には要介護高齢者が40%を超え介護人材が約300万人不足するという予測の下、年金収入だけでは十分な医療サービスを受けられない高齢患者は医療券(診療費は行政負担)を求めて生活保護申請する方も更に増えるでしょう。

表題のドラッグ・ロスとは欧米で承認された薬で日本に既存薬のない医薬品は39品目あり、最先端薬200以上が未承認(保険適用外)の理由には、開発に多額の資金と時間を要するため、新薬臨床試験(治験)制度および日本の薬価制度(公定価格)では日本市場での収益性が見込めないためと言われています。また、国民皆保険の恩恵を最も多く享受しているのは概ね後期高齢者層・生活保護世帯と医療機関であり、生命や健康についての経済的価値に注目した医療経済学(健康経済学)による持続可能な新たな保険の仕組みを検討する取り組みも始まっているそうです。

例えば、安価なジェネリック医薬品やOTC類似薬(ドラッグストア等で販売する薬品や漢方薬など)の使用、治療入院期間短縮への協力、掛かり付け医の推奨(梯子受診の抑制)などでしょうか。病気や怪我をしても、救急車は無料(行政が税金で対応)、保険治療が3割以内の自己負担で受けられることに日本人が慣れ過ぎた結果、制度疲弊が限界にあると感じます。さらに、いくつかの疾患は既に患者数が難病認定基準を上回ったり新たな治療薬が開発され、今後難病指定を解除する方向で議論が進められています。編集人のような患者(完解する治療法がない病気のこと)にとっては、単なる延命治療(健康寿命が伸びない)はしないで欲しいと家族・主治医に伝えてあり、医療費膨張が更に日本国家財政への過剰な負担を後世に残さないよう闘病生活を送っています。