オフィス鴻

取引交渉と優越的地位

2024年02月21日

世界的な物価上昇が続く中、各社で食料品・輸入品を中心に幅広いサービス・商品群の値上げが相次いでいます。特にヨーロッパやアメリカなどでは20%以上の値上げの中に仕入価格・製造原価・輸送費等の上昇分だけでなく利益率改善のための便乗値上げも相次ぎ、一般市民をも巻き込んだデモも行われています。値上げ幅は経営者の選択肢範疇ですが、詳細な明細は不要としても最低限の説明責任は果たすべきでしょう。

最近は、仕入価格交渉は公正取引委員会や中小企業庁が優越的地位の乱用(料金交渉の場を設けない等)について、社名公表を含むかなり厳しい対応を始めました。商品・製品・サービス等の調達原価は各取引先で異なり、中には使用する材料などに関するブラックボックス的な契約書、見積書も多く、編集人がこれまで最も柔軟で適正な交渉(見積もり)が出来たのは大手の建築関連企業だったように記憶しています。ただし、管財(調達者)担当には相見積もりをするだけで守秘義務を順守しない、継続取引を含む契約書にない発注・価格決めを現場担当者や関連部署担当者が行うケースなど旧来以前の商慣習も依然として残っているようで、日本企業もある程度の規模になれば外資系企業に多く見られる企業内内部統制が機能する組織化が必要だと考えます。

また、発注者(購買)の定期異動を行っていなければ、無意識のうちに優越的地位乱用等を行っていたり、場合によっては現実に不正の温床(キックバック、横領行為等)となることもあります。さらに、受注者(納入業者)側も、公平性・透明性などの合理的根拠に基づく説明ができない納入価改定交渉では、どんなに中小企業叩きだと公正取引委員会に通報したとしても、取引先との関係性を良い方向へと改善することには繋がらないでしょう。全ての原価をオープンにする必要はありませんが、相手の信頼に足りるだけの客観的資料、交渉能力と教育は優先順位が高くして身に付けておくべき能力だと思います。