オフィス鴻

台湾有事と日本領土

2024年03月09日

1872年に沖縄県がアメリカから日本に返還されてから50年が過ぎました。第二次世界大戦で多数の犠牲者を出した沖縄県では、今も多数のアメリカ軍部隊が駐留しており、仮に偶発的にせよ中国・ロシア・北朝鮮との紛争や台湾有事が起これば、日本最南西端にある与南西諸島を含めた沖縄全体が再び戦火に見舞われる可能性は否定できません。ロシアのウクライナ侵攻やイスラエル・パレスチナ(ハマス)紛争では、軍人だけでなく何の罪もない一般市民も多数死傷しています。日本の防衛上、地政学的に非常に重要な尖閣諸島周辺にも中国船の領海侵犯、航空機等による圧力は今も続いています。特に与那国島は台湾から約111km、石垣島は約127kmの距離にあり、有事の際に島民を守れるだけの設備(港湾・航空路)は脆弱であり、陸上自衛隊を中心に防衛力増強が図られています。

民主主義国家(社会主義的な面があることは否定しません)である日本では言論の自由や選挙権などが認められており、様々な考え方をした人が議員として活動しています。当然、自衛隊常駐には賛成派も反対派もいますが、最も重要なのは経済振興と紛争に巻き込まれないことであり、自衛隊の常駐によって商売が成り立っている住民もいるため、本音と建前を使い分けないと2千人ほどが暮らす島内での生活に支障をきたすことや、島民間で見えない分裂がおきていることも十分考えられます。

また、国際的な政治学者であるアメリカハーバード大学のグレアム・アリソン氏によれば、意図的な紛争(戦争)が起こる可能性は小さいが、政治権力が変わる時などに間違った判断の下で衝突が起こり得る可能性を指摘しています。中国が挑発的行為を行いかねない国内政治状況ともなれば、日本にも多大な影響がでることは容易に想像できますし、ウクライナ紛争からロシア国民の目をそらすために北方領土問題を抱えるロシアが北海道に侵攻する、北朝鮮が更なる挑発行為(大陸間弾道ミサイルの使用等)を行う可能性も頭に入れておく必要があり、首都圏も対岸の火事ではなくなると思います。