オフィス鴻

国民皆保険制度と個人負担

2024年02月02日

国民皆介護保険制度がないアメリカでは、高額な医療費を民間保険等でカバーできない人向けに、医療費支払専用クレジットカード支払(遅延利息は年利25%前後)が若年層を中心に普及しており、その借金総額は約20兆円以上に上ると日本経済新聞の記事に掲載されていました。日本では原則3割以内の自己負担で社会保険制度が適用され、医療費の増加(特に介護保険、後期高齢者健康保険)が日本の財政を圧迫していますが、アメリカの自己負担医療費も年1,600ドルと日本の2倍以上となるようです。

その他にも、アメリカ政権下で学生ローンの平均借入残高は3万ドルを超えており、総人口が3億3千万人(人口増加率は1%を下回る程度)を超える旺盛な個人消費が経済をけん引している現状もあり、若い年齢層を中心に今後いろいろな面で影響が顕在化してくると思われます。また、2010年にアメリカのオバマ政権下でアフォーダブルケア法(オバマケア)が教育改革法とともに連邦法 (federal law)として制定されましたが、連邦制による州法 (state law) との二元的な関係が複雑に絡み合っている問題も指摘されています。

最近は、日本でも自由診療(末期に近い悪性腫瘍、歯科矯正、美容整形など)を謳う医療機関が増えていて、特にステージ4に該当する悪性腫瘍(転移ガン)などにより、ある程度の平均生存率(余命)が告知されると医学的見地からの効果云々や良し悪しはさておき非常に高額な保険外診療であっても縋(すが)るような気持ちで頼る方もいらっしゃるようです。編集人は、エンディングノートは作成済みで、家族には自分の意思が伝えられない状態になったら、ペイン緩和ケア以外の全ての延命治療は不要と家族と主治医には伝えました。また、脳死状態になった時には臓器提供を進めるよう頼みました。まだ、臓器提供の意思表示をしている入院患者も非常に少ないそうで、まだ思考が正常なうちにできることを精一杯していきたいと思っています。