オフィス鴻

羽田便の新飛行ルート

2024年01月19日

羽田空港(東京国際空港)が新滑走路建設により国際線乗り入れを再開してから、利用客が増えています。その中で駐在アメリカ軍が管轄する首都圏空域を縫うような形で、約3年前から国際線のニーズが高い時間帯かつ南風の好天時のみ運用(主に4~11月)する都心上空の新飛行ルートが設けられました。国土交通省では、騒音対策は推定平均値で当初予測値の90%前後に収まっていると発表していますが、編集人の親族宅では新飛行経路使用開始により直接的な航空機エンジン音より、建物等に反響した副次的騒音の影響があり窓を閉めることが増えたそうです。

また、懸念事項として部品・着氷落下等の安全問題が挙げられていましたが、実際に部品落下事故は起きており、人口密集地での大事故に繋がる危険性の全てが排除できたわけではないようです。現実問題として、コロナ禍から通常時へと戻りつつある中で成田空港より羽田空港の利便性が高いと感じる利用者(ビジネス・観光客など)は多いと思われますし、当該新飛行ルート上の航空機内から見える東京の眺望が一種の観光資源となっていることもあるようですから、今後どこに妥協点を見出すのかが焦点になりそうだと感じます。また、羽田空港運営は1分単位での発着が常態化しており先般の痛ましい事故の原因の1つとも言われています。追い打ちをかけて空港グランドスタッフの人員不足問題(主に処遇が低いことが原因)も各空港での受け入れができない事情もあり、トーイングトラクターと呼ばれるプッシュバック・格納庫移動用の特殊車両を自動運転化する研究も進められています。

なお、観光立国実現を標榜する政治家も多い現在の日本の政治ですが、既に50年以上経過した設備の更新時期を迎えている社会インフラを整備してこなかったツケはいずれ若い世代が負うことになるでしょう。また、オーバーツーリズムによる弊害(多くは国の政策が一貫性に乏しいことに起因していると感じています)が各地で指摘されていますが、中部地方のある施設(離れ)に宿泊したときは殆ど外国人を見かけませんでしたね。