オフィス鴻

運転免許制度の改定

2024年04月17日

先日、あるTV番組で教習所での70歳以上の高齢者講習の様子が伝えられていました。内容は認知症検査と実車を使った運転技量でしたが、もちろん編集されていますので多くの受講者は一般道路でも問題なく運転できると思われます。一番驚いたのは、左折時にフロントオーバーハングと思われる対向車線への進入、一時停止標識・赤信号の無視、路肩への乗り上げ後もアクセルを離さないなど、これまで高齢者の逆走やアクセル・ブレーキの踏み間違いによる人身・重大事故で尊い命が奪われた被害者の気持ちを察すると、こんな状態でも運転免許証の更新ができるのかと正直疑問に思いました。

また、過疎化が進む中山間地などでは車がないと生活できない方がいることは承知していますが、免許返納が難しいのであれば猶のこと客観的評価(現在は教習所)で自分では気づいていない諸能力の衰えに対してサポート機能が搭載されている車(現在は衝突防止が主流)に限定した免許制度の改定が望まれますね。その他にも、現在の二種免許(旅客)に準じた貨物自動車用の免許区分(プロライセンス)は以前から議論されていて、運送事業者の中には自前の教習施設を所有して独自の社内ライセンス発行して手当を支給しているところもあります。また、イギリスには建設業界専用のライセンス制度があり、国土交通省の資料にも参考として記載されています。

なお、年12月から5台以上の営業車両(白ナンバー)等の保有事業者には安全運転管理者(資格は不要)の配置とアルコールチェックが義務付けられ、約40万事業所と800万人以上が新たに対象となりました。また、海外からの観光客がレンタカーで事故を起こしても警察に届け出ないケースが北海道を中心に増えているそうで、一部のレンタカー会社は貸出制限(中止)に踏み切ったそうです。その背景には、国際基準との違い(標識の形、英語等の表記、一時停止方法、左側通行など)があると言われており、今後の訪日客誘致を国策として進めるならば、国土交通省自動車局を中心に思い切った施策を打ち出してもらいたいと考えます。