オフィス鴻

命の恩人

2023年02月28日

2020年8月、編集人はそれまで経験したことのない原因不明の粗大な振戦(全身のけいれん)に突然襲われました。その原因は、まだ治療法が確立されていないNMDA型の自己免疫介在性脳症疾患であることは後日判明したのですが、2週間後に再び粗大な振戦に襲われ、現在の主治医がいる大学病院へと救急搬送されました。ここで2人の医師「恩人」に命を救われました。同大学病院には何度か緊急入院しましたが、医師が見たことのない症例だったため、TIA(一過性脳虚血発作)、多発性脳梗塞等と担当医により診断が異なっていました。

主治医は、まず「身体表現性障害の疑い」「傍腫瘍性神経症候群の疑い」「特殊なてんかん」との仮説を軸に、脳神経内科免疫疾患専門チームが総力をあげて原因究明と治療にあたってくださいました。「身体表現性障害」は精神疾患の1つで、脱力や痺れ、振戦などを引き起こす病気で、脳血流シンチ検査などから2021年鹿児島大学病院で全身性自己免疫介在性脳症との診断のきっかけとなりました。また、「傍腫瘍性神経症候群」は悪性腫瘍が原因で神経症状を引き起こす疾患で、全く想像していなかった内臓の悪性腫瘍が見つかり、ステージ3相当と診断されました。ただ、悪性腫瘍の全摘手術後も振戦が収まらないことから、自己免疫介在性脳症との確定診断に至りました。

また、他科担当医からは悪性腫瘍の全身転移リスク、免疫合併症等から余命告知された上で、妻同席の下全摘手術を選択しました。7時間に及ぶ開腹手術は成功したものの、想定以上に悪性腫瘍が進行しており、他の臓器への癒着や播種寸前という非常に危険な状態(ステージ4相当)だったそうです。手術後の経過は比較的良好で、その後の定期検査でがん再発が確認されたものの、少なくとも5年は命拾いできたと心から感謝しています。