オフィス鴻

出版業界の新たな試み

2023年10月11日

アメリカの国勢調査(2021年版)では、書店数が10年前と比較して約20%減少した反面、都心部での独立系書店の開業が増えており、日本でも同様の傾向がみられるようです。編集人は電子書籍より紙媒体の書籍が好きなのですが、理由は以前にも書きましたが同じ本でも、その時の状況次第(年齢・仕事・心の状態など)で感じ方が異なることにあります。Amazon社のKindleも紙媒体での出版がない書籍に限り利用していますが、書籍からの情報インプットに必要な紙媒体の学術書は比較的高額な本が多く、発行部数が少ないこともあり中古品であってもやはり紙媒体の本を購入してしまいます。書棚に入らなくなると「あの時はこんなことを考えていたんだな」と思い出しながら少しづつ整理を進めていきます。

今から100年ほど前に、日本の特殊な出版流通(シェアの大部分を占める日本出版販売とトーハンなどの取次店から書店へと配本される)が誕生しました。昨今の雑誌販売減少と消費者志向の変化等により、コンビニへの配本を主力とする輸送方式であるトラックへの書籍積載率と適正コストを検証する機会がありましたが、運送事業者の営業努力だけでは継続困難との認識となりました。今は、雑誌や漫画もスマホで有償・無償含めて殆ど読めますし、プレミア物は「読む本」から「鑑賞する本」へと価値が変化しています。

さらに、本の流通を複雑にしている原因の1つに独占禁止法上の除外が著作物に適用される再販価格維持制度があります。これは「全国どの地域でも平等かつ手近にその文化を享受できることが消費者の利益になる」という考えの下、レコード・CD等の音楽、出版物等の法定再販物に適用されるため、値引き販売が禁止されています。また、委託販売方式により売れ残った書籍は一定の条件下で返品(返本率は3割以上と言われています)・払い戻しが受けられる安易な返品や売れ筋への偏りを引き起こしています。そのため、こだわりをもった書店側が良書・選書を自由に選んで販売するような新しい書籍販売スタイルが生まれており、今後目利きビジネスとして成立するかも知れませんね。