オフィス鴻

日本酒の楽しみ方(2)

2023年08月04日

最近は、日本料理店以外でも、全国各地から選んだ日本酒を提供する飲食店が増えています。編集人は、機会があれば各地の酒蔵にお邪魔して、経営者や杜氏さんに直接お話を伺っていました。日本の酒蔵では、東京農大等の醸造学科などで学ばれた方などへの代替わりも増え、麹、酒米、仕込み水などの他に新たな醸造技術を取り入れて醸した日本酒を、限定品として出荷したり、海外コンクールに出品する酒蔵も増えました。また、獺祭(旭酒造)などの新たな経営手法も注目されています。編集人は、基本的に純米酒を選ぶことが多いですが、4°C前後で長期間低温熟成された日本酒は、独特の個性が際立っており、かなり値は張りますが試してみる価値はあると思います。

日本に約1,200余りある酒蔵は中小企業が多く、廃業する蔵元が少しずつ増えている一方で、海外(特にフランス)の日本酒愛好家が増えているのは日本の酒造醸造技術が認められている証でしょう。ちなみに、十四代(高木酒造)の仕込み水は「桜清水」ですが、料理に使うとより相性の良さを引き出してくれます。また、各地の蔵元を訪れると〇自(マルジ:自家用)と呼ばれる日本酒や、杜氏や経営者が研究目的で醸造した日本酒の試飲機会に恵まれることがあり、日本酒の持つ奥深さを感じます。

なお、国税庁統計年報では、日本国内のアルコール飲料市場は微減傾向にありますが、輸出数量はコロナ禍前の2倍近い数量(国内販売数量の2%弱)となっています。また、中間流通に於ける酒販大手・中小卸の役割は日本・海外ともに非常に重要で、品質管理が難しい日本酒ですがワインや蒸留酒(最近は国産ウイスキーのヴィンテージのが異常なほどの人気)と同じくらい世界の人々に愛される日が来るのを願ってやみません。