オフィス鴻

食文化とロブスター

2023年08月13日

水産庁のHPに、日本が加盟していた国際捕鯨委員会(IWC;International Whaling Commission)を令和元年(2019年)6月に脱退して、大型鯨類を対象とした捕鯨業を再開したことが記載されています。また、日本人のみならず食習慣・食文化はそれぞれの地域におかれた環境により歴史的に形成されてきたものであることから、相互理解の精神の下、最良の科学事実(科学者等による継続的な科学調査の結果により得られた鯨種ごとの資源量管理)に基づいて持続的に利用される重要な水産資源であると説明されています。編集人の子供の頃は学校給食にクジラの竜田揚げが出されており、当時のクジラ肉は正直硬くて嚙み切れないようなものもありましたが、高価な牛肉に替わるタンパク源食材の1つでした。

また、海外の一部の国では生きた状態で調理すること(日本のイセエビの活け造りやアワビの踊り焼きなどは該当しそうですね)を法律で禁止している国もあります。和歌山県のイルカ漁も某国の動物保護団体により虐待だとして、捕鯨同様に様々な妨害・抗議活動なども行われていました。日本では昔から食材の大切な命を頂くことに感謝する言葉として食前に「いただきます」と言う習慣があり、文化や考え方の違いが顕著に表れている一例なのかも知れません。最近、アメリカでは日本食ブームで、特に寿司の「OMAKASE(おまかせ)」が人気ですが、生きた魚を捌いて食べることが問題になっているとは聞きませんよね(活けづくりなどはメニューに載っていないのかもしれません)。

一方で、欧米ではロブスターなどの甲殻類に大麻成分の一部を与えて感覚性を麻痺させてから調理したり、一度気絶させて苦痛を最小限にしてから食する研究が進められるなど、時代や地域性によって食文化への考え方も大きく変化しているようです。一つだけ言えるのは、食材を無駄にしないことが自分たちにできる一番身近な資源保護なのだと思います。