オフィス鴻

水素燃料自動車の開発

2023年11月19日

ドイツのダイムラートラック(メルセデス・ベンツ)が、液体水素だけで1,000kmを無補給走行したとの記事がYohooNewsに出ていました。この大型EVトラックは「メルセデス・ベンツGenH2トラック」と呼ばれているそうで、FCV(燃料電池車)のプロトタイプ(試作品)ですが、グループ入りした三菱ふそうの小型商業用トラックを含めたラインアップを考えた場合、技術的な改善点や水素スタンドの設置、販売価格設定などの課題はまだまだ残っているものの、2027年の実用化に向けて研究開発を進めているそうです。

現在、日本が燃料電池車の弱点であるバッテリー技術(容量が小さく、価格が高い、重量が嵩むなど)を進化させていければ、原材料を海外(主にリチウムのレア金属類)に頼っている地政学や政治面でのリスクを分散させることも可能になるでしょう。ただ、バイオメタンを熱分解して製造したマイナス253℃の極低温水素を使うため、走行中等の真空断熱燃料タンクの安全性や燃費(今回の実験では約14km/kg)だけでなく、高度な整備技術者育成を行わなければ商業車用としての実用化には至りません。また、日本では自動車整備士(自動車分解事業)の担い手が低賃金の影響とEV化による新整備技術を必要とするため少なくなっており、ドライバー不足と併せて施策を実行していかなければ、折角の技術革新も環境問題への取り組みとマッチングできないように思います。

実際、1990年頃までは自分の乗車するトラックの運行前(始業前)点検以外でも、殆どのドライバー職は多少の故障修理・オイルやランプ交換・シート補修などを含めて自分達で行い、手に負えなかったり整備上の法律要件が絡む場合は修理工場へと回送していました。最近は、トラックの性能が良くなったため故障も少なく、また定期的なメンテナンスを外注先に委託するケースも多いです。一方で、オイルや水(ラジエター)のチェックすらしない(出来ない)ドライバーも多いと聞きます。トラックは一旦運行開始すれば「走る凶器」ともなり得ますから、プロ意識と技量が求められる仕事です。